地獄に堕ちた鉄道員ども(THE DAMNED)
- 作者: 西岡研介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/06/19
- メディア: 単行本
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- 作者: 鈴木ひろみ,山口哲夫
- 出版社/メーカー: 五月書房
- 発売日: 2006/04
- メディア: 単行本
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「マングローブ―テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」は元噂の真相・週刊文春の記者であった筆者がJR東日本と革マルの知られざる関係を暴いた傑作。内容は今まで語られてきた以上の事は実は書かれていない。が、いかにして新左翼セクトがJR東日本を事実上牛耳るに至ったか、正直な所関西とか肉業界よりヤバすぎる実態が書かれているのであった。ページ数は少ないがJR東日本の最大労組であるところのJR東労組による他労組や自組織の人間への恐怖支配も書かれている(内部告発者の数が少ないのが気になるが)。
「JR西日本の大罪―服部運転士自殺事件と尼崎脱線事故」はJR西日本労組所属の服部運転士が、かの悪名高い「日勤教育」をきっかけに自殺…事実上殺人の様なものだ…したかが克明に描かれている。これを読めばあの多大な犠牲を出した「尼崎事故」はいつ起きていてもおかしくなかったと思える、はっきりと。この本では書かれていないが服部運転士の所属していたJR西日本労組はJR総連系、つまりJR東日本労組と同じ革マルの影響が色濃い組織である。しかもこのころJR西日本は革マルと手を切っていた。この本で描かれたJR西日本労組所属社員にのみ厳しい内容に日勤教育…かつてJR東日本では国労所属社員は厳しい扱いを受けていた事を考えれば明らかに革マルの影響力を落とすためになりふり構わぬ労務管理が行われている構図が見えてくる。この2冊は必ずセットで読むべきだ。少なくともオレにとってはパズルのピースが合ったと思えた。
そしてこの2冊を読んで見えてくる事はJR発足から20年を経たというのに経営者側も組合側も恐怖支配による労務管理しか知らない様に見えることだ。オレらIT土方は様々な現場を移動したり、時には会社ごと変わるが鉄道職員はJRやめたからと言って簡単に西武や小田急に入って鉄道の仕事が出来るわけではない。IT土方は恐怖で縛ったら大抵は逃げるが鉄道職員は逃げ場が無いが故に絞れるだけ絞れる事ができる。きつい労務管理はモラル(士気)の低下をもたらす事があるが士気が低下すると何が起こるか…運転面とか設備メンテナンスとか。それ以外にもコストダウン施策とか色々あるので一概には言えないのだが「社員がギスギスしている会社でイイ物が生み出せるか?」といえば、それは間違いなく否である。革マルと別れられないJR東日本と革マルと別れたがお粗末な労務管理しか知らないJR西日本。結局いつだってバカを見るのは一般の利用客だ…。